瓜生中 公式ブログ
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仏教

鎌倉の建長寺の見所は?宗派、山門、鎌倉五山についても解説!

建長寺の桜アイキャッチ

こちらの記事では建長寺の見どころなどについてレキ子ちゃんと瓜生中先生が会話形式で分かりやすく解説します!

宗派、山門、鎌倉五山や由来などについて調べている方は必見です!

鎌倉の建長寺の見どころ

建長寺の桜
れきこちゃん
れきこちゃん
鎌倉の建長寺の見どころを教えてください!
瓜生先生
瓜生先生

谷状の緩やかな南斜面に南から三門、仏殿(ぶつでん・本堂〈ほんどう〉)、法堂(はっとう・〈講堂〉)、庫裏(くり・台所)、方丈(ほうじょう)が南から北に一直線に並ぶ典型的な禅宗の伽藍配置(がらんはいち・建物の並び方)があります。

ほぼ完璧な形の禅宗の伽藍配置が見られるのは全国の禅宗寺院と隣接する円覚寺など、数ヵ寺しかありません。

れきこちゃん
れきこちゃん
なるほど!法堂(はっとう・〈講堂〉)には何があるのですか?
瓜生先生
瓜生先生
法堂には釈迦苦行像(しゃかくぎょうぞう)がまつられています。
れきこちゃん
れきこちゃん
くぎょう・・・ぞう?
瓜生先生
瓜生先生

釈迦苦行像は悟りを開く前の釈迦が想像を絶する厳しい修行をしていたときの姿をとらえたもので、痩せ衰えて骨と皮だけになり血管が浮き上がったすさまじい姿をしています。

この像は2005年の愛知万博のときにパキスタンのパビリオンで展示されていたものです。

 

パキスタンのラホール中央博物館にある苦行像のレプリカです。

樹脂でつくられていますが、本物と見分けがつかないほど精巧につくられています。

れきこちゃん
れきこちゃん
そんなに有名な仏像があるのですね!

鎌倉の建長寺の建築(建物)の特徴

鎌倉の道路

 

れきこちゃん
れきこちゃん
鎌倉の建長寺の建築(建物)の特徴はあるんですか?
瓜生先生
瓜生先生
三門や仏殿、法堂など、鎌倉時代に中国から伝えられた唐様(からよう)、または禅宗様という建築様式です。
れきこちゃん
れきこちゃん
禅宗様、それはどのようなものなのですか?
瓜生先生
瓜生先生

柱は上下の角を削ったもので五月の節句に食べる粽(ちまき)のように端がしぼってあることから「粽柱(ちまきばしら)」と呼ばれる禅宗独特の柱です。

ただ、その形状は粽というより、ウインナーソーセージといった方が分かり易いかもしれません。

 

また、柱の下には椀型の礎石があります。

これも鎌倉時代に禅宗の伝来とともに伝えられたもので「礎盤(そばん)」といいます。

また、仏殿や法堂の床は厚さ2センチ、15センチ四方ぐらいの瓦が敷き詰めてあります。

 

これは磚(せん)と呼ばれるもので禅宗建築の特徴です。

粽

 

瓜生先生
瓜生先生

このほか、窓は花頭窓(かとうまど)と呼ばれる釣鐘型の窓です。

夜、道内にあかりを灯すと、燈火(とうか・ロウソクの炎)のように見えることから、本来は火燈窓と書きます。

 

しかし、木造建築は火に弱く、燈の文字を使うことさえ嫌ったことから、花頭の字を宛てました。

れきこちゃん
れきこちゃん
火に弱いから燈という字を使わなかったのは昔の人はそのくらい火を恐れていたという事なんでしょうね!

聞いていると特徴的な感じなんですね!

瓜生先生
瓜生先生
これら禅宗建築に見られる特徴は当時としては最先端のモダンな様式として人気を集めました。

そして、上にあげたような禅宗建築独特の様式は他宗の寺院でも採用されました。

建長寺(鎌倉)の山門

建長寺の山門

 

れきこちゃん
れきこちゃん
建長寺(鎌倉)の山門とはなんですか?

 

瓜生先生
瓜生先生

お寺にはいくつかの種類の門があります。

建長寺でも最初に潜るのは総門と呼ばれるもので、こちらは両側に塀が伸びていて扉を閉めることができる警備上の門です。

 

いっぽう、山門の方は塀もなく自由に通り抜けができ、脇を素通りすることもできます。

これは仏門(ぶつもん・仏教の教えに従って修行する)に入るために潜る門です。

つまり、基本的にはこれから修行しようという意思のある人が通る門ということになります。

れきこちゃん
れきこちゃん
という事は一般の人は通ってはいけないのですか?

 

瓜生先生
瓜生先生

一応通ることはできますが、一般の拝観の場合は軽く会釈をして静かに通って行けば良いでしょう。

また、円覚寺の場合もそうですが、建長寺でもこの門は「三門(さんもん)」と書かれています。

これは「三解脱門(さんげだつもん)」の略です。

 

空(くう)・無相(むそう)・無願(むがん)という解脱(悟り)に至る三つの道という意味です。

どれも何事にも執着することなく心も体も完全に自由になった状態です。

厳しい修行に耐えてそういう境地に至るために通るのが三門なのです。

れきこちゃん
れきこちゃん

悟りへの三つの道ということとかけて三門なのですね!!

今度から三門を通るときはもっと神妙な気持ちで通らなければ…

建長寺(鎌倉)の宗派は臨済宗

鎌倉高校前の踏切

 

れきこちゃん
れきこちゃん
建長寺(鎌倉)の宗派はなんですか?

 

瓜生先生
瓜生先生

禅宗には臨済宗(りんざいしゅう)、曹洞宗(そうとうしゅう)、黄檗宗(おうばくしゅう)の三つの宗派があります。

建長寺は臨済宗の寺院です。

 

臨済宗は臨済十四派(りんざいじゅうよんぱ)といわれ、京都の妙心寺(みょうしんじ)や大徳寺(だいとくじ)など14の流派に分かれています。

建長寺は臨済宗建長寺派の大本山(だいほんざん・中心の寺)で、その傘下に400ヵ寺ほどの末寺(まつじ・所属の寺)を従えています。

 

れきこちゃん
れきこちゃん

臨済宗なんですね!!

しかも臨済宗が十四派に別れているなんて初めて知りました!

鎌倉の建長寺の由来

路傍の石

 

れきこちゃん
れきこちゃん
鎌倉の建長寺の由来を教えてください!
瓜生先生
瓜生先生

建長5年(1253)に鎌倉幕府第五代執権(しっけん)・北条時頼(ほうじょうときより)が中国からやって来た蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)という禅の高僧を招いて創建(そうけん)した禅寺(ぜんじ)です。

 

隣接する円覚寺と建長寺のある一帯はもと鎌倉幕府の処刑場があった場所で「地獄谷(じごくがやつ)」と呼ばれていました。

れきこちゃん
れきこちゃん
処刑場があって地獄谷…

いかにも恐ろしい名前ですね…

 

瓜生先生
瓜生先生

もともとこの地には処刑された罪人が葬られており、それらの罪人の供養のために地蔵菩薩を本尊とする心平寺(しんぺいじ)という寺がありました。

そこを新たに整備して建てられたのが建長寺です。

れきこちゃん
れきこちゃん
そんな背景があったんですね!!
瓜生先生
瓜生先生

禅宗寺院では釈迦如来を本尊とするお寺が多いのですが、建長寺の本尊は地蔵菩薩(じぞうぼさつ)です。

地蔵菩薩は地獄とこの世を行き来して、閻魔大王(えんまだいおう)に行った人のために減刑を申し立ててくれるといいます。

 

このことから先の心平寺には地蔵菩薩がまつられ、建長寺もそれにならったものと考えられています。

れきこちゃん
れきこちゃん

やはり処刑場があったからなのですかね…

今まで仏像は仏像で如来とか菩薩なんて考えたことがなかったので注意して見てみます!!

建長寺と鎌倉五山

日本庭園に流れる川

 

れきこちゃん
れきこちゃん
建長寺と鎌倉五山とはなんですか?

 

瓜生先生
瓜生先生

五山とはもともと中国で行われていたもので、由緒(ゆいしょ)ある5つの寺を選んで、国が特別の保護を与えた制度です。

鎌倉では第一に建長寺、第二に円覚寺、第三に寿福寺(じゅふくじ)、第四に浄智寺(じょうちじ)、そして第五に浄妙寺(じょうみょうじ)の五ヵ寺を五山と定めました。

れきこちゃん
れきこちゃん
中国が発祥なんですね!鎌倉以外にもあるのですか?
瓜生先生
瓜生先生

はい。

その後、足利尊氏(あしかがたかうじ)が京都に室町幕府(むろまちばくふ)を開くと京都の禅寺を中心に「京都五山」が定められました。

天竜寺(てんりゅうじ)、相国寺(しょうこくじ)、建仁寺(けんにんじ)、東福寺(とうふくじ)、万寿寺(まんじゅじ)が京都五山です。

 

このうち万寿寺は早くに廃寺(はいじ)になり、今はありません。

京都五山は幕府の保護を受けて大いに栄え、「五山文学(ござんぶんがく)」と呼ばれる文芸や絵画などのすぐれた文化を生み出しました。

有名な雪舟(せっしゅう)も五山文化の中で生まれた天才画家でした。

 

五山というと京都五山のイメージが強いのですが、そのルーツは鎌倉にあります。

れきこちゃん
れきこちゃん

五山文学は雪舟(せっしゅう)も輩出しているんですね!!

京都五山も初めて聞いたのですが鎌倉の方が先なのか〜

鎌倉五山に行ったら京都五山にもいきたいです。

おわりに

建長寺の建築は禅宗様建築といい他の禅宗寺院にはあまりみられない地蔵菩薩が本尊となっています。

宗派は臨済宗で処刑場があったところから今のお寺になっているなど、建長寺の建物と歴史について解説していきました。

 

鎌倉五山にも入り、京都五山より長い歴史をもつ五山の一つである建長寺は是非ともたずねてみる価値のあるお寺と言えます。