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仏教

覚園寺のご利益、見どころは?薬師堂について専門家が解説!!

覚園寺のご利益のアイキャッチ

こちらの記事では覚園寺のご利益、見どころや薬師堂について レキ子ちゃんと瓜生中先生が会話形式で分かりやすく解説します!

覚園寺の薬師堂、仏像について知りたい方は必見です。

覚園寺のご利益

賽銭箱

 

れきこちゃん
れきこちゃん
覚園寺(かくおんじ)ではどんなご利益が得られますか?

瓜生先生
瓜生先生

覚園寺の薬師如来(やくしにょらい)はその名が示す通り病気を治してくれる仏です。

薬師如来を本尊とする覚園寺のご利益は先ず、病気の災(わざわ)いを取り除いてもらえることにあります。

また、愛染堂(あいぜんどう)にまつられている愛染明王(あいぜんみょうおう)は無限の「愛」を与えてくれる仏です。

こちらは恋愛成就(れんあいじょうじゅ)、縁結(えんむす)びなどのご利益があります。

れきこちゃん
れきこちゃん

すごい!

覚園寺に行くだけでこんなにご利益がいただけるなんて!!これは行かなければ損ですね!

覚園寺の御朱印は2種類ある!

御朱印張

 

れきこちゃん
れきこちゃん
覚園寺の御朱印はどんなものがあるんですか?

瓜生先生
瓜生先生

二種類の御朱印があります。

ひとつは本堂の薬師如来のもの、もうひとつは愛染堂にまつられている阿閦如来(あしゃくにょらい)のものです。

れきこちゃん
れきこちゃん

二種類あるのですね!!

二つとも集めたいです!

お盆に行われる覚園寺の黒地蔵縁日

お地蔵さん

 

れきこちゃん
れきこちゃん
覚園寺のお盆に行われる黒地蔵縁日(くろじぞうえんにち)とはなんですか?

瓜生先生
瓜生先生

毎年、8月10日(8月9日の深夜から翌日の正午)に行われる縁日です。

新たに肉身(にくしん)などを亡くした家の人がこの日にお参りすると亡くなった人は必ず極楽浄土(ごくらくじょうど・仏の世界)に行って幸せに暮らすことができるとされています。

れきこちゃん
れきこちゃん
そういうことなんですね!私も何かあったら行ってみよう!
れきこちゃん
れきこちゃん
縁日ってよく聞きますけどなんなんですか?
瓜生先生
瓜生先生

「縁日」とは特別のご利益がある日のことで、縁日にお参りするとふだんの何倍ものご利益があるとされています。

また、この黒地蔵縁日はどこの寺院でも行われている施餓鬼(せがき)の行事です。

もともと施餓鬼はつねに食べ物がなくて飢(う)えに苦しむ餓鬼道(がきどう)におちた人が年に一度だけおなか一杯食べられる日でした。

時代が下ると日本では新仏(にいぼとけ・一年以内の亡くなった人)の霊や戦災や災害などに遭って非業(ひごう)の死を遂げた人の霊を鎮(しず)めるための法要となりました。

 

れきこちゃん
れきこちゃん

お祭りとかのイメージでした!

そんな重要な日だったんですね!

天井の字

古民家

 

れきこちゃん
れきこちゃん
覚園寺の天井の字とはなんですか?

瓜生先生
瓜生先生

薬師堂(本堂)の天井の細長い板に書かれた文字のことです。

室町幕府の初代将軍・足利尊氏(あしかがたかうじ)が書いたと伝えられています。

この板は室町時代の文和(ぶんわ)3年(1345)に薬師堂を修理したときのもので、覚園寺の歴史を知るうえで貴重な資料です。

れきこちゃん
れきこちゃん

足利尊氏!

これは歴女の心をくすぐるエピソードですね!!

覚園寺の見どころ

茶釜と炉

 

れきこちゃん
れきこちゃん
覚園寺の見どころはなんですか?

瓜生先生
瓜生先生

薬師堂の薬師三尊像と十二神将像は知る人ぞ知る名作で、覚園寺の最大の見どころになっています。

また、薬師三尊像などを納める薬師堂も大きな茅葺の屋根のとても迫力のある建物です。

さらに、山懐(やまふところ)に位置する覚園寺は境内全体が種々の木々に囲まれています。

春は梅や桜、夏の終わりにはアジサイの一種のタマアジサイ、秋にはモミジの紅葉、そのほか境内のさまざまな野草の花などを楽しむことができます。

れきこちゃん
れきこちゃん
仏像や建物もさることながら覚園寺は自然も豊かなんですね!!

覚園寺の薬師堂は御本尊をまつっている

お辞儀

 

れきこちゃん
れきこちゃん
覚園寺の薬師堂ってなんなんですか?

瓜生先生
瓜生先生
お寺のお堂はそこにまつられている仏像の名がついていることが多いのですが、薬師堂(やくしどう)は覚園寺の本尊である薬師如来像(やくしにょらいぞう)をまつるお堂です。

この薬師堂が覚園寺の中心のお堂、本堂に当たり、覚園寺でも愛染明王をまつるお堂は愛染堂と呼ばれています。

 

また、ちょっと規模の大きいお寺には本堂の他に複数のお堂があり、そのお堂の中の中心になる仏を本尊と呼んでいます。

しかし、一山(お寺全体)の本尊は本堂の本尊一体だけです。

いうまでもなく、覚園寺一山の本尊は薬師堂の薬師如来です。

れきこちゃん
れきこちゃん
薬師堂とは本尊の薬師如来像をまつるお堂のことだったんですね!!

鎌倉の覚園寺にある仏像は鉄造不動明王坐像と木造阿閦如来坐像

日本庭園に流れる川

 

れきこちゃん
れきこちゃん
鎌倉の覚園寺にはどんな仏像があるんですか?

瓜生先生
瓜生先生

山門を入ってすぐ右手には愛染堂(あいぜんどう)というお堂があり、中にはこのお堂の本尊の愛染明王像(あいぜんみょうおうぞう)のほか、珍しい鉄製の鉄造不動明王坐像(てつぞうふどうみょうおうざぞう)、木造阿閦如来坐像(もくぞうあしゅくにょらいざぞう)などが安置されています。

愛染堂の鉄造不動明王像は文字通り鉄製の仏像です。

ふつう、仏像は銅でつくりますが鎌倉時代になって武士の世の中になると刀剣(とうけん)や甲冑(かっちゅう・兜〈かぶと〉と鎧〈よろい〉)など鉄製の武器の製作が盛んになりました。

これに伴って鉄製の仏像もつくられるようになりました。

れきこちゃん
れきこちゃん
なるほど!ということは鎌倉時代以降は鉄製が主流になったということですか?
瓜生先生
瓜生先生

いえ、作例はおおくはありません。

また、神奈川県西部の大山にある大山寺(おおやまでら)という古いお寺には像高約1メートル、重さ約480キログラムの堂々たる鉄造不動明王があります。

 

覚園寺の鉄造不動明王坐像は大山寺の像の試作品として造られたもので、大きさは大山寺の像の約半分です。

れきこちゃん
れきこちゃん

多いわけではないのですね(笑)。

他にも仏像はあるんですか?

瓜生先生
瓜生先生

愛染堂の左手で拝観料を納めて奥へ進むと薬師堂(薬師堂)があります。

ここが覚園寺の本堂で、中には薬師三尊像(やくしさんぞんぞう)、鞘阿弥陀如来坐像(さやあみだにょらいざぞう)、十二神将像(じゅうにしんしょうぞう)、伽藍神像(がらんしんぞう)などがまつられています。

また、本堂の手前右手には小規模の地蔵堂があり、中に通称「黒地蔵(くろじぞう)」と呼ばれている木造地蔵菩薩立像(もくぞうじぞうぼさつりゅうぞう)が安置されています。

 

れきこちゃん
れきこちゃん

覚園寺には沢山の仏像があるのですね。

さらにここから覚園寺の仏像などについて質問していきます!

覚園寺の薬師如来は他のものとは少し違う!

茶畑

 

れきこちゃん
れきこちゃん
覚園寺の薬師如来とはなんですか?

瓜生先生
瓜生先生

名前からも分かるように、薬師如来は病気を治してくれる仏さまです。

薬壺(やっこ)と呼ばれるあらゆる病気に効く薬が入った壺を持っているのが特徴です。

円覚寺の薬師如来は頭部は鎌倉時代、身体は室町時代の作と考えられています。

 

像高は約180センチ、手足や顔など別々につくったパーツを組み立てた寄木造り(よせぎづくり)で目には玉眼(ぎょくがん)という義眼(ぎがん)という水晶の目が入っています。

また、蓮華(れんげ・ハスの花)の台座の左右に衣(ころも・着物)の裾が八の字に下がっています。

 

これは垂下紋(すいかもん)と呼ばれ、鎌倉の仏像に見られる特徴です。

れきこちゃん
れきこちゃん
ということは他の仏像は違うフォルムなのですか?
瓜生先生
瓜生先生

ふつう、薬師如来は右手を挙げて手のひらを前に向けて胸の前に据え、左手を下げて手のひらを上に向けて膝の上に置いた、施無畏印与願印という印を組み、左手の上に役壺を置いています。

 

いっぽう、覚園寺の薬師如来は坐禅のときのように両手を重ねた上に薬壺をのせています。

これは他の薬師如来には見られない特徴ということができます。

れきこちゃん
れきこちゃん
うーんちょっと難しいけど違いを実際みてみたいです!!

十二神将は薬師如来の守護神

路傍の石

 

れきこちゃん
れきこちゃん
覚園寺の十二神将とはなんですか?

瓜生先生
瓜生先生

十二神将は薬師如来とこの如来を信仰する人を守る一二体の守護神(しゅごしん)です。

また、子丑寅卯(ねうしとらう)の十二支(じゅうにし)に基づく東西南北などの一二の方角、さらには子の刻(こく)、丑の刻などの一二時を護るといわれています。

像高は最大約190センチから最小約150センチ。

応永8年(1401)朝祐(ちょうゆう)という仏師(ぶっし・仏像をつくる職人)の作であることが分かっています。

また、これらの像は朝祐が一年に一体ずつ、12年かけて完成したことも分かっています。

れきこちゃん
れきこちゃん
12年も!!こんなエピソードを聞くと見るときにさらに感情移入できそうですね!

薬師三尊

鎌倉高校前の踏切

 

れきこちゃん
れきこちゃん
覚園寺の薬師三尊とはなんですか?

瓜生先生
瓜生先生

釈迦如来には文殊菩薩(もんじゅぼさつ)と普賢菩薩(ふげんぼさつ)、阿弥陀如来には観音菩薩(かんのんぼさつ)と勢至菩薩(せいしぼさつ)がそれぞれ脇侍(わきじ・助手)として従っていることがあります。

このような3体を一緒にまつったものを三尊像といい、薬師如来の場合は向かって右に日光菩薩(にっこうぼさつ)、左に月光菩薩(がっこうぼさつ)が脇侍(わきじ・助手)として従っています。

室町時代中期の応永29年(1422)に朝祐によって造られたことが分かっています。

れきこちゃん
れきこちゃん

わっ!すごく難しい名前がずらり…

でも三体を一緒にまつっているというのはわかりました!それで薬師三尊なんですね!

覚園寺に運慶作の仏像はあるのか?

運慶作

 

れきこちゃん
れきこちゃん
覚園寺に運慶作の仏像はありますか?

瓜生先生
瓜生先生

覚園寺は鎌倉幕府第二代執権の北条義時(ほうじょうよしとき)が運慶(うんけい)作の薬師如来像をまつったのが起源とされている。

れきこちゃん
れきこちゃん
ということは今もあるのですか!?
瓜生先生
瓜生先生

いえ、二度の火災のあって最初の仏像は焼失してしまいました。

そういうわけで覚園寺には運慶作と伝えられる当初の仏像はありません。

ただ、現在の本尊・薬師如来の頭部だけは鎌倉時代のものと考えられています。

しかし、その風貌は宋(そう・中国南部)の様式で、運慶の作風とは異なります。

れきこちゃん
れきこちゃん
そうですか…やっぱり鎌倉には運慶作の仏像はないんですね…
円覚寺の山門
鎌倉の仏像の特徴は?運慶との関係について専門家が解説!!こちらの記事では鎌倉の仏像の特徴や運慶の仏像があるかについてレキ子ちゃんと瓜生中先生が会話形式で分かりやすく解説します! ...

覚園寺の鞘阿弥陀

岩の間の葉っぱ

 

れきこちゃん
れきこちゃん
覚園寺の鞘阿弥陀とはなんですか?

瓜生先生
瓜生先生

薬師堂(本堂)の右手の奥にまつられている阿弥陀如来坐像です。

阿弥陀如来像の体内にもう一体、小さな仏像が納められています。

外側の仏像が刀の鞘のようになっているので「鞘仏(さやぶつ)」の名があります。

このように、仏像の体内に小さな仏像を納めるということは古くから行われており、他にも鞘仏と呼ばれているものが少なからずあります。

れきこちゃん
れきこちゃん

鞘仏なんですね!

こんな仕掛け自分だけでみに行ったら絶対に気づかなそう!

伽藍神とは何か?

鎌倉の道路

 

れきこちゃん
れきこちゃん
覚園寺の伽藍神とはなんですか?

瓜生先生
瓜生先生

伽藍(がらん)とはお寺の建物のことです。

その伽藍を護るのが伽藍神の役割です。

このような伽藍神は中国の禅宗寺院でまつられるようになり、鎌倉時代のはじめに禅宗の伝来に伴って日本に伝えられました。

 

鎌倉では建長寺や円覚寺など、京都でも禅宗寺院にまつられています。

覚園寺は今は真言宗の寺ですが、かつては天台(てんだい)、真言(しんごん)、禅、浄土(じょ うど)を並行して学ぶ、いわゆる四宗兼学(ししゅうけんがく)の寺でした。

 

そのことから伽藍神がまつられました。

伽藍神は中国の民俗宗教である道教(どうきょう)の神の姿をしています。

道教が仏教に取り入れられて伽藍神もまつられるようになったのです。

れきこちゃん
れきこちゃん

道教との関わりまであるんですね!

伽藍神めぐりに鎌倉の建長寺や円覚寺など、京都の禅宗寺院も行くのも楽しそうですね!

愛染堂は愛染明王をまつるお堂

寒梅

 

れきこちゃん
れきこちゃん
覚園寺の愛染堂とはなんですか?

瓜生先生
瓜生先生

愛染明王(あいぜんみょうおう)をまつるお堂です。

愛染明王は不動明王をはじめとする明王の一族です。

 

人間の煩悩(ぼんのう・欲望)の中でも最も抑えがたい愛欲(あいよく)、男女間の欲望の凄まじいエネルギーを利用して悟りの境地に至らせてくれるという明王です。

平安時代のはじめに密教とともに伝えられ、各地の真言宗や天台宗の密教系の寺院などにまつられています。

 

縁結びや恋愛、夫婦円満(ふうふえんまん)などのご利益があるとして民間で盛んに信仰されています。

れきこちゃん
れきこちゃん

男女間の欲望から転じて縁結びなどにご利益があるとなったんですね!

私も縁結びしたいです!!

今回は瓜生先生に覚園寺の薬師如来をはじめ仏像やご利益、お堂など様々なことを先生に質問していきました!

鞘仏なんて自分だけじゃ気づかないはずです。

 

この記事を読んで覚園寺をお参りすれば一層楽しめること間違いないでしょう!