瓜生中 公式ブログ
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給付金10万円の価値

御存じのように政府は新型コロナウィルス対策として一律に10万円を支給するという。
リーマンショックのときには確か1万2千円だった。

この1万2千円や10万円という金額はどうやって算出したのだろうか?
1万2千円はこどもの小遣い程度、10万円でも一か月の生活費にはとうてい及ばない。

しかし、一回こっきりの支給で、どうもその後のことは考えてないようだ。
そんな金額で仕事がなくなってすでに家賃も払えない生活必需品の購入も儘ならないという人たちを助けることができると思っているのだろうか?

これは一言で言って国会議員たちと一般国民と間の価値観の違いということだと思う。
彼らは3千万円以上の高額の歳費(年収)を得ている。
この年収は世界の国会議員の中でも最高水準だ。

かつて麻生太郎はサラリーマンの昼食代について問われ、口を曲げて「そうだなあ、2千5百円ぐらいかな?」と応えて顰蹙(ひんしゅく)を買ったことがある。
これも控えめで本当は5千円と思っていたのかもしれない。

また、かつて旧民主党の落選した30代の議員がこんなことを言っていた。
議員時代は運転手付きの公用車に乗っていた。
落選して満員電車に乗るようになってはじめてサラリーマンは大変なんだということを実感したというのである。

彼も学生時代など議員になる前は電車やバスに乗っていたのではないないのだろうか?
それとも実家が大富豪で幼少のころから運転手付きの高級車にしか乗ったことがないのか。

国会議員になると極楽とんぼ呪縛にかかってしまうのか?
不思議な人たちである。
そんな不可思議な連中に現実の世界であくせくしている一般国民の生活を支配されたらこれほど理不尽なことはない。

というわけで10万円の給付金で当面の間、過不足なく生活できるというのが彼らの結論なのではないか。
バカをいうのもほどほどに白、顔を洗って出直して来いと誰もが言い合いところである。

これは自民党を中心とする与党の議員ばかりではなく野党議員も含めての話である。
また、テレビでコメンテーターと称する連中が口々にもっともらしいことを言っている。

そういった彼らのほとんどもかなりの高収入を得ているのだろう。
だから、彼らと平均的な国民との間では10万円の価値に対する温度差があるのだ。

いつだったか最近売り出しの何とか学者を自称する女性がテレビの人生相談でこんなことを言っていた。
引っ越したばかりの土地で近所との折り合いが悪いあどうしたら良いだろうか、という相談だった。

これに対して彼女は「それはすぐに他の場所に家を借りるなりして引っ越すのがベストである」というまことに有難い回答を与えてくださった。
私は耳を疑ったが確かのそう言っていたのである。

これも「バカも休み休み言え!」「おととい来やがれ!」だ。
引っ越した家が賃貸か持ち家かは分からなかったが、いずれにしても家賃やローンがあると考えるのが一般的である。

その上、新たに借りた家の家賃を払わなければならないということになるのである。
常識的に考えて限られた収入の中から家賃やローンを二重に支払うことは不可能である。
そんなことは普通の生活をしていれば小学生でも容易に分かる。

古今東西を問わず富裕層ほど現実を逃避する傾向が強い。
19世紀のロシアでナポレオン戦争の最中、貴族たちは連日、舞踏会に明け暮れていた。

日本では『源氏物語』の主人公の光源氏は他人が亡くなったとか病気になったという話をすると耳を塞いで嫌がった。
『枕草子』の著者、清少納言は髪の毛はぼさぼさで垢だらけの服を着た当時の一般庶民を「ミノムシ」といって嫌い顔を背けて通り過ぎたことを自ら記している。

これが世の現実であれば国会議員をはじめとする輩と平均的な国民との間で10万円の価値観に大きな隔たりがあるのも理解できる。
しかし、それでは困る。

今回の新型コロナウィルス騒動が終息するころには貧富の差が一段と進むだろう。
殿様気分に酔い痴れている国会議員たちはどのように対処するのだろうか?

今の閣僚をはじめとする国会委員の面々に期待しても土台無理な話か?
しかし、今回の騒動が終息した後には今まで経験したことのない危機に直面するだろう。

これは最早、政治家(政治屋〈せいじや〉)だけに任せておけない、われわれ国民が総力を挙げて考えなければならない大問題である。